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コラム&ブログ at newsweekjapan.jp

Friday, Nov 30

11

ロンドンでは人種感覚に鈍感だと痛い目を見る [Edge of Europe]

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<移民が増加し、多民族化していくイギリス(特にロンドン)では、配慮し過ぎて人種に関する表現がどんどんややこしいことに> 最近、僕は日本人の友人に、イギリスでの人種感覚の話題について説明しようとした。単純に言えば、話すときには相手の気分を害する言い方をしないように気を付けたほうがいい、と。でもこの問題で複雑な点は、言っていいことと悪いことが時とともに変化することだ。それに、場所によっても異なる。そのうえ、いつも筋が通っているというわけでもない。…

彼女は誰よりも私に密着した 映画『選挙に出たい』に映らなかった場面 [元・中国人、現・日本人]

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<私を撮った映画『選挙に出たい』が12月1日から劇場公開される。ケイヒ監督と私との「なれそめ」や撮影裏話をここでお伝えしておきたい(ネタばれなし)> こんにちは、新宿案内人の李小牧です。…

10

『彼が愛したケーキ職人』、エルサレムを舞台に国籍や宗教を超えてめぐり逢う男と女 [映画の境界線]

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<恋人を不慮の事故で失ったドイツ人のケーキ職人と、夫を亡くしたイスラエル人のカフェ店主。エルサレムを舞台に「同じ男」を愛した二人の男女が運命的に惹かれあっていく...> イスラエル出身のオフィル・ラウル・グレイツァ監督の長編デビュー作『彼が愛したケーキ職人』に描き出されるのは、死者も交えた男女の奇妙な三角関係だ。この監督は、そんな関係に宗教や国籍、セクシュアリティといったテーマを絡ませ、独自の視点と新人離れした表現力で、深みのあるエモーショナルなドラマにまとめ上げている。…

09

京都は「自転車」でアジアのコペンハーゲンになれる [日本再発見]

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<脱クルマ社会を目指す日本屈指の観光都市、京都。既に自転車で散策しやすい世界の都市ベスト10に入っており、順調に公共交通・自転車・徒歩を優先した街づくりが進んでいるが、「マナーが悪い」といった問題も残っている> 炭素排出量を削減し、破滅的な気候変動を阻止するために残された時間はあと12年。気候科学者たちがそう警鐘を鳴らすなか、京都市は持続可能な未来に向けて代替案を模索している。…

08

愛犬はチェルノブイリ出身──原発事故で置き去りにされたペットの子孫を里親へ [for WOMAN]

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<ゴーストタウン化した原発事故の町に生きる約1000頭の犬を保護する活動が進んでいる> ウクライナ北部の町チェルノブイリで、史上最悪レベルの原子力発電所事故が起きたのは32年前のこと。発電所はもちろん、半径30キロ圏内は「チェルノブイリ立入禁止区域」に指定され、住民は直ちに避難を余儀なくされた。ソ連時代の団地や遊園地は、今も無残な姿で打ち捨てられたままだ。…

06

自称「天才」率いるセックス・カルト 集団内部の秘密グループに参加したら... [for WOMAN]

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<聡明で善良な「普通の人々」を巧みに誘い込むカルト集団の実態に迫る、著名キャスターの覚悟> カルト集団は外の世界から隔絶されているため、秘密のベールをはがして真実に迫るのは難しい。だがTVジャーナリストのエリザベス・バルガスは、米ケーブルテレビ局A&Eの新シリーズ『カルトと過激な思想』の司会役として、このテーマに正面から取り組んでいる。…

Thursday, Nov 29

09

日本の「移民」議論で、まったく欠落しているもの [プリンストン発 日本/アメリカ 新時代]

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<外国人労働者を受け入れることで、日本の国内の人材と産業構造をどう変えていくべきか――その視点からは何も議論されていない> 日本では入管法改正案の審議が大詰めを迎えていますが、日本国内では「議論不足」を指摘する声があるようです。これには一理あります。少し考えただけでも、今回提案されている制度にはいろいろと矛盾があるからです。…

06

「デモ参加者」って誰だ──フランス燃油税高騰デモは政府に見捨てられた地方住人の反乱か [for WOMAN]

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<フランス各地で燃油価格高騰に抗議するデモが、10日以上にわたり続いている。燃油コスト値上げが火をつけたのは、地方の低・中所得層の「購買力低下への怒り」だった> フランス政府による燃油税値上げが、低・中間層の怒りを買っている。エマニュエル・マクロン大統領は「地方を無視する富裕層のための大統領」と捉えられ、支持率は26%まで落ち込んだ。…

04

中国は「巨大赤ちゃん病」の超大国 [Superpower Satire (CHINA)]

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<長年一人っ子政策が続いた中国では、体は大人、心は赤ちゃんの「巨大な赤ん坊」がたくさんいて、自分の思い通りにならないと怒りだし、暴走する> 今年の10月末、中国重慶市内の長江に架かる橋を走っていた路線バスが、橋の真ん中で川に転落して、乗客と運転手の計15人全員が死亡した。乗り過ごした女性客が途中下車を要求。運転手がそれを拒んだので最初は口論、最後は殴り合いになり、運転手がバスのハンドル操作を誤って車が川に転落したことが車載カメラの映像から明らかになった。…

働き方改革に不可欠な「空気革命」のやり方 [横山信弘のハードワーク思考]

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<コンサルタントがどんなに頑張っても、「空気」が悪ければ組織改革など進まない。悪貨は良貨を駆逐するからだ> 私は現場に入って、企業の目標を絶対達成させるコンサルタントです。「前よりもよくなった」を求める企業ならともかく、事業計画を絶対達成させたいと願う企業と契約していますから、私たちコンサルタントも、企業側も、それ相応の覚悟をもってプロジェクトに臨みます。…

Wednesday, Nov 28

10

ゴーン解任劇に潜む日仏文化摩擦の種 [フランスを通して見る欧州情勢]

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<今回のゴーン解任劇に対し、フランス人が驚き、疑念を抱いている点が3つある> 今年、2018年は、江戸時代末期の日本とフランスが日仏修好通商条約を締結して160周年にあたる。それを祝って、両国で華やかな文化行事が行われ、ハイレベルの要人往来も行われた。そして、日産とルノーのアライアンスは、永年の日仏交流のなかで最大級の成果として、日仏双方から称えられてきた。…

Tuesday, Nov 27

11

2025年の大阪万博は1970年の万博とは様変わりする [プリンストン発 日本/アメリカ 新時代]

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<前回の大阪万博は日本人入場者が主だったが、2025年の万博は想定される入場客から違ってくるはず> 2025年に大阪市の夢洲(ゆめしま)で万国博覧会が開催されることが決まりました。大阪万博と言えば、今から48年前の1970年に千里丘陵で開催された万博が歴史に残っています。何となく、同じようなイベントになり、大勢の日本人が行列を作ったり、日本企業や外国政府のパビリオンがたくさん出来たりするような想像をしてしまいますが、実際の展示内容はどうなるのでしょうか。…

07

都市景観をお金に換えられない残念な国「ニッポン」 [経済ニュースの文脈を読む]

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<文化財の保存と経済的利益の両方を追求できることこそが先進国の特権なのに、日本には、経済的なソフトパワーについて議論する余力などとっくにない...!? > 京都市が、歴史的景観の保全を目的とした建物の高さ規制について、緩和する方針を打ち出している。オフィスや住宅の開発を促進することが目的だが、景観の保全を重視する住民からは反対の声が上がっている。…

Monday, Nov 26

13

研究者ですがフェイスブックにアカウントを永久停止されました [イスラーム世界の現在形]

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<アカウントを停止され、ヘルプセンターに苦情を言った。最終的に永久停止されるまでの、不毛なやりとりの記録> 今年の6月のことである。自分のFacebookアカウントにアクセスしようとしたら、できなくなっていた。そして「アカウントが停止されました」のメッセージが......。 自分のアカウントが停止されたのはこれで2度目である。心当たりがないので、ヘルプセンターに苦情をいった。以下はその不毛なやりとりの記録である。…

08

世にも奇妙なホワイトハウス公式文書 [グローバル化と安全保障]

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<サウジアラビアのジャーナリスト、ハーショグジー氏殺害にムハンマド皇太子が関与していると疑われる中でトランプ大統領が出した声明は公式文書として極めて奇怪なものだ。その内容を読み解いてみる>…

現在の経済政策は誤りの集大成 [転機の日本経済]

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<日本の今の経済政策がすべて間違っていて、一向に修正もされない理由> 異次元緩和は、繰り返し指摘したとおり、日本経済に害の最も大きな政策だが、そのほかのこまごました政策もすべて誤っている。これほど誤りの集大成のような経済政策が打ち出されるのは珍しいが、その要因は何か。 第一の可能性は、経済政策に関する理解がすべて間違っているというもの。…

冷え対策をしているのになぜ改善しないのか? 薬剤師に聞く [for WOMAN]

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<さまざまな冷え対策を試しているのに改善しない。それはなぜか。理由は冷えにはタイプがあり対処法がそれぞれ異なる点にあった。薬剤師が解説する> 気温が下がってくるとつらさが増す冷え。この時季になるとさまざまな冷え対策を試してみる人がいるかもしれない。ところが「友達には合っているのに自分には合わないみたい」、そんな経験はないだろうか。東洋医学において冷えは、その人の体質によって3タイプに大別される。…

06

世界はなぜ「離脱の時代」を迎えたか──英国のEU離脱、揺れるルノー・日産連合、トランプの離脱ドクトリン [欧州インサイドReport]

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[ブリュッセル、パリ発]英国の欧州連合(EU)離脱協定書と新たな関係についての政治宣言が11月25日の日曜日、ブリュッセルで開かれたEU臨時首脳会議で正式に合意された。45年に及んだ「結婚生活」の破局にEU首脳の多くは「悲しい日」「悲劇だ」と表情を曇らせた。 しかし、ジャン=クロード・ユンケル欧州委員長は言葉とは裏腹に両手を広げて歓喜の表情を浮かべた。連邦主義者のユンケル氏は「最善で唯一可能な合意」と欧州の結束を乱し続けてきた英国を突き放した。…

Saturday, Nov 24

04

ポピュリズム時代のアメリカと日本はどう付き合うか [外交官の万華鏡]

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<中間選挙直前のボストンで襲われた「途上国」の錯覚......元外交官が説く脱エリートの実感的日米外交論> 米中間選挙直前の10月末、ボストン郊外の民宿に1週間泊まり、市民の生活を見る機会があった。全米で最も古いボストンの地下鉄は市が予算を回さないため、ますます古びて、不愛想なプラスチックむき出しの座席にはさながら「世界中の」人種・民族が座っている。…

Thursday, Nov 22

12

独裁者っぽさがどんどん増すトランプ(パックン) [Superpower Satire (USA)]

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<以前から独裁者としての要素を多く持っているトランプだが、中間選挙を経て、民主主義を求める民意に反してさらに独裁的になっている> 彼は社会的な不安が高まるなか、移民や少数民族、外国に対する恐怖をあおった。大衆迎合主義と国家主義の波を起こして選挙に当選した。自分への忠誠を求め、将軍と家族で政府幹部を固めた。メディアや司法機関を支配しようとし、裁判所に自ら選んだ判事を詰め込んだ。権力をもって自己利益を要求し、政敵を制裁した。彼の顔は目の周りだけが白くてあとはオレンジだ。…

ファッションの可能性と自身の行動について考える体験型ミュージアム [for WOMAN]

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<ファッション業界が抱える問題と解決の糸口になるイノベーションを主題にしたユニークなミュージアムがアムステルダムにオープンした> 今年10月、数多くの美術館が立ち並ぶオランダ、アムステルダムに「ファッション・フォー・グッド・エクスペリエンス(Fashion for Good Experience)」というミュージアムがオープンし、話題を呼んでいる。…

09

北方領土「2島返還」が動き始めた理由 [CIAが視る世界]

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<安倍とプーチンの大胆な政治決断の背景には中国の台頭という東アジアの地政学的変化がある> 少し皮肉めいた話だ。ドナルド・トランプ米大統領がもたらした破壊と混乱。習近平(シー・チンピン)国家主席の下でアジアの覇権を目指す中国の歴史的台頭。そして、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と日本の安倍晋三首相の強い決意を秘めた外交手腕。どうやら、この3つの組み合わせがアジアの地政学的状況に歴史的変化をもたらすことになりそうだ。…

08

日産「クーデター」をめぐる3つの疑問点 [プリンストン発 日本/アメリカ 新時代]

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<ゴーン氏は捜査に徹底抗戦するのか、日産はルノーの傘下から抜け出せるのか、グループ全体の経営は改善するのか――事件の今後の成り行きには様々な疑問が浮かぶ> ルノー・日産のカルロス・ゴーン会長の逮捕劇については、「日産本社」「ルノー本社」「フランス当局」「日本の当局」「ゴーン氏本人」という当事者から、十分な情報開示が行われていません。ですから、真相に関しては断片的な報道を頼りに推測するしかありません。…

06

「時短ハラスメント(ジタハラ)」が起きる会社2つの特徴 [横山信弘のハードワーク思考]

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<これからは「すぐに労働時間を削ることが可能な仕事」など人間がやる仕事ではなくなっていく。わかっていない上司には要注意> 流行語大賞にノミネートされた「時短ハラスメント(ジタハラ)」 先日、「2018ユーキャン新語・流行語大賞」のノミネート30語が発表されました。私が開発した造語「時短ハラスメント(ジタハラ)」が30語の中に入っており、感慨深いというか、複雑な気分を味わっています。 私が2016年12月に日本企業が直面する新たなリスク…

Tuesday, Nov 20

10

性器を握り、触る......「捕食者」と呼ばれる国連高官の手口と国連の闇 [for WOMAN]

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<女性や若者の問題を担当するエリート職員のセクハラ疑惑は国連という組織の制度と文化の問題点を浮き彫りにしている> UNウィメン(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)の創設は2011年1月。巨大な官僚機構である国連に加わった最も新しい組織で、世界中から性差別をなくすことを目的としている。ところが、その上級顧問の1人が1年以上前からセクハラ容疑で内部調査の対象になっているというから驚きだ。…

09

ゴーンの何が悪いのか? [転機の日本経済]

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<ゴーンによって日産が失った企業価値は50億円よりはるかに大きい。本当の罪は表には出にくいそちらのほうだ> ゴーンが逮捕されたが、これまでの情報では、報酬約50億円分の有価証券報告書への過少記載ということのようだ。 そして、それは現金収入ではなく、別荘など完全に私的な住宅を会社に購入させ、それを無償で利用していた、ということらしい。 これは、もちろん、金融商品取引法違反であり、刑事罰が科されることになる可能性があると見込まれる。 ただ、これ自体はよくある話だ。…

07

カルロス・ゴーン逮捕、アメリカでどう報じられたか [プリンストン発 日本/アメリカ 新時代]

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<ゴーン会長逮捕のニュースはアメリカで、企業経営者の強大な権力への批判だけでなく、グローバル企業のトップが日本だけの事件で逮捕されることへの困惑と共に報じられた> 日産三菱・ルノーのカルロス・ゴーン会長の逮捕劇については、アメリカでは19日月曜の週明けに飛び込んできたニュースですが、それほど大きな扱いにはなっていません。地上波に当たる三大ネットワークやケーブルテレビでは、ほとんど報じられておらず、CNBCなど経済専門局が第一報と簡単な論評を伝えているだけです。…

Monday, Nov 19

08

世界の流れに逆行する日本──なぜいま水道民営化か [塗り替わる世界秩序]

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・臨時国会では水道事業に民間企業の参入を可能にする水道法改正案が成立する見込みだが、これは一旦民営化されたものが再び公営化される世界の潮流に逆行する。 ・さらに、浜松市では今年度から既にフランス企業が下水道の運営を担っており、厚生労働省はこれを事実上のモデルケースと位置づけている。 ・しかし、浜松市でのそれはいまだ「テストケース」であることから、これで一気に水道法改正に持っていくのは勇み足以外の何物でもない。…

Friday, Nov 16

12

日米FTAの交渉が始まった事実は隠せない [中国経済事情]

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<総理官邸やNHKまでがペンス米副大統領は日米の「FTA」交渉を始めるとは言っていない、同時通訳者は誤訳したのだと言い張っている。だが少し調べれば、誤訳などではなかったことは明らかだ> 11月13日に行われた米ペンス副大統領と安倍首相との会談をめぐってちょっとした騒動が起きている。会談後の13日正午から共同記者発表が行われたのだが、その時にペンス副大統領が「自由で、公平、互恵的な貿易の機会は、bilateral trade…

08

出産旅行で実現する中国人の「美国夢(アメリカンドリーム)」 [Superpower Satire (CHINA)]

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<トランプが出生地主義を廃止すれば、アメリカで出産して米国籍を取得する中国人富裕層の夢はかなわなくなる> 「みんなこの巨大産業に気付いていない。本当に産業なんだ。多くが中国からやって来る。驚くぞ。中国はナンバーワンだ。全く狂っている」。11月初め、ミズーリ州における中間選挙の演説で、トランプ大統領は改めて米国籍の「出生地主義」について言及した。10月末にトランプが出生地主義を大統領令で廃止する考えを明言して以来、この件は中国の富裕層の間で大きな反響を呼んでいる。…