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「創業家本位」脱却へ、保有株の売却要請=スルガ銀・業務改善計画

2018年11月30日(金)18時17分

[東京 30日 ロイター] - 投資用不動産向けローンの不正融資で行政処分を受けたスルガ銀行<8358.T>は30日、金融庁に業務改善計画を提出した。創業家に対して保有株の売却を求め、ファミリー企業向け融資を回収することで創業家の影響力を排除するとした。外部の弁護士をトップに法令順守体制を再構築する。 

スルガ銀は、不祥事の根本原因が「創業家本位の企業風土」にあったと総括。創業家支配から脱却するため、創業家やファミリー企業が保有するスルガ銀株について早期の売却を求めるほか、ファミリー企業向け融資は全額の回収を図る。回収不能な場合は、貸金返還請求などを行う方針。

スルガ銀は、今後もリテール業務をビジネスの中核に据える。女性用ローンや単身者ローンなど独自のローン商品を提供してきた原点に立ち返り、資金ニーズの拡大が見込まれるニッチ分野の開拓に努める。報告書では、既存の提携先との関係強化だけでなく「新たなアライアンスの実現に取り組む」とした。

スルガ銀は、従来のコンプライアンス委員会を「コンプライアンス体制再構築委員会」に衣替え。須藤英章弁護士を委員長に法令順守体制を抜本的に見直す。

スルガ銀は11月、岡野光喜前会長ら現旧経営陣9人に対して総額35億円の損害賠償請求訴訟を提起した。報告書には、顧客の自己資金に関する資料改ざんなどに関わった営業担当者やその監督権限者合計117人を処分したことも盛り込んだ。

(和田崇彦)

ロイター
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